Fishery Future 養殖業の未来を模索する 

元増養殖研究者、陸上養殖従業員が水産業・養殖業に関する出来事について、考えたことをつらつら述べます。

いま話題のChatGPTに聞いてみた【水産資源を用いた事業計画】

最近噂のChatGPTに、水産業の事業計画書について聞いてみた。
このChatGPT、事業計画もふんわりと作ってくれるすごいやつである。


事業計画書として利用できるほどの詳細な情報や根拠等を示してくれないので、そのままでは使用に耐えないだろう。
しかし、考え方のアウトラインのアイデア出し程度であれば、十二分に有用性が示せていると思われる。


以下にChatGPTの回答を示す。



Q.水産資源を用いて事業計画を立ててみて

〜ChatGPTの出力結果〜


水産資源を用いた事業計画を立てるには、以下のようなステップが必要です。

水産資源の分析:事業計画を立てるためには、使用する水産資源の種類や供給量、価格などを分析する必要があります。また、その水産資源の調達方法や品質管理についても考慮する必要があります。

製品の開発:使用する水産資源からどのような製品を作るのかを決定します。例えば、魚介類から刺身や加工品を作るなどの開発が考えられます。

マーケティング戦略の立案:製品をどのように販売するかを考えます。どのような顧客をターゲットにし、どのような販売方法をとるかなど、マーケティング戦略を立案する必要があります。

資金調達:事業計画の実現に必要な資金を調達する必要があります。投資家や銀行からの融資、助成金補助金などを活用することが考えられます。

生産体制の構築:製品を作るためには、生産体制の構築が必要です。工場や設備の確保、従業員の採用、品質管理システムの導入など、生産体制の構築に必要なことを整備します。

以上のステップを踏んで、水産資源を活用した事業計画を立てることができます。ただし、水産業は環境や法律などの影響を受けやすい産業であるため、継続的な情報収集やリスクマネジメントが必要です。

以上

事業計画の立案をお願いしたら、事業計画の立て方をご教示いただいてしまった


目的とは異なる回答である。


ちょっと失敗。条件を何も決めていないので仕方ない。
ということで、以下のように条件付けして、再度事業計画を立ててみてとお願いしてみた。


条件1.まず、魚種を指定する。

筆者は鰻の飼育経験があるので、食用利用する魚種を鰻としてみた。
(飼育経験がある魚種の方が、事業評価がしやすいため)


条件2.ChatGPTへの指示の仕方を変更する。

過去の知見から、ChatGPTは事業計画と事業計画書を明確に区分して判断してることがわかっているため、「事業計画を立ててみて」を「事業計画書を示せ」という指示に変更する。


それでは、条件を改めて、以下どうぞ。

Q.鰻の食用利用を前提としたビジネスプランを用いて、事業計画書を作成せよ。

〜以下、chatGPTの出力結果〜

【概要】

当社は、鰻の養殖・加工・販売・輸出事業を展開することで、収益を上げることを目的とする。国内の鰻の需要が高まっており、また海外においても高い評価を受けているため、国内外の需要に応えることで成長することを目指す。

【事業計画】

養殖事業
(1) 目的
国内の鰻の需要が高まっており、養殖鰻の需要が拡大していることから、当社でも鰻の養殖事業を行うことで収益を上げることを目的とする。
(2) 方針
・鰻の種苗を購入し、池や水槽などの養殖施設を設置する。
・餌や水質管理などの経費を把握し、収支のバランスを取る。
・繁殖から出荷までのプロセスを明確にし、生産性を上げる。

(3) 目標
・年間1000kgの鰻を生産し、卸売業者や加工業者に販売する。
・年間の収益は2000万円を目指す。

加工・販売事業
(1) 目的
鰻を加工して、うなぎ丼や蒲焼きなどのメニューを提供する飲食店を開業し、また加工品をスーパーマーケットや百貨店などの小売店に卸すことで収益を上げることを目的とする。
(2) 方針
・鰻の仕入れルートを確保する。
・経験豊富なシェフを雇い、美味しいメニューを開発する。
・店舗の立地や装飾にも注力し、顧客にリラックスして楽しんでもらえるようにする。
・定期的な広告宣伝を行うことで、集客を増やす。

(3) 目標
・年間100万食の鰻丼を販売する。
・年間の収益は3000万円を目指す。

輸出事業
(1) 目的
日本の鰻に海外での需要があるため、鰻の輸出事業を行うことで収益を上げることを目的とする。

(2) 方針
・海外の需要に合わせて、鰻の輸出先を開拓する。
・輸出に必要な許可や書類の手続きを行い、法令に遵守する。
・輸送の安全性を確保するために、適切な保冷装置を用意する。

(3) 目標
・年間10トンの鰻を輸出する。
・年間の収益は1000万円を目指す。

【財務計画】

投資
・養殖施設の設置費用:3000万円
・加工施設・店舗の設置費用:2000万円
・運転資金:500万円
・合計:5500万円

資金調達
・出資:1000万円
・借入金:4500万円

収支予想
・第1年目
収入:2500万円
支出:2000万円
利益:500万円
・第2年目
収入:4500万円
支出:3500万円
利益:1000万円
・第3年目
収入:7000万円
支出:5000万円
利益:2000万円

収益率
・第1年目:9.1%
・第2年目:22.2%
・第3年目:40.0%

【経営方針】

当社は、鰻の養殖・加工・販売・輸出事業を展開することで、国内外の需要に応え、成長することを目指す。このため、以下の経営方針を掲げる。

品質の追求
・鰻の品質を追求し、安全・安心な製品を提供する。
・お客様からのフィードバックを受け、改善を加える。

コスト管理
・経費を抑え、収支のバランスを取る。
・無駄なコストを削減し、収益を上げる。

人材育成
・社員のスキルアップやモチベーション向上を図る。
・チームワークを重視し、共に成長する。

以上が当社の鰻の食用利用を前提としたビジネスプランの事業計画書となります。

以上

雰囲気は完成しているChatGPTの作る事業計画書

「すげえ。。。。。。」


率直な筆者の感想である。


鰻を食用とする是非はおいておくとしても、需要は高まっているのは事実だ。なにせ、鰻は土用の丑の日以外は消費されないという認識だったのが、今や通年商品としての販売に足る魚種として、認識されている。


事業計画書としては穴だらけだが、事業計画の"雰囲気"は完成している。
(フォーマットが統一できていない、文章が適切でない、水質管理で収益バランスって何? 財務計画が相当甘い等々)


考え方のアウトラインを出してくれるのは、アイデア出しをする過程において、非常に重宝する。


0→1は苦手でも、1→10、10→100のアイデアを出すことは容易な人間は多いだろう。かくいう私もその一人だ。

この0ベースのアイデアだしという点では、GPTの有用性が示せているのではないかと思う。(仕事でも、最近はよくお世話になっている)


......とんでもない時代に生まれてきてしまったと思わされずにはいられなかった。